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平成26年 第17回 交通事故・調査分析研究発表会

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平成26年 第17回 交通事故・調査分析研究発表会

交通事故例の報告-交通事故調査の現場から-
警察が行う交通事故捜査により得られたマクロデータベース統計データでは、十分把握できない情報がある。例えば安全な車体を開発するための情報として有効な乗員の受傷(シートベルト傷害等)データなどである。このような、より詳細なデータを把握するために当センターでは、交通事故例調査(ミクロ調査)を実施している。本報告では、その情報を用い特徴的な事故例をいくつか取り上げて、四輪車対四輪車衝突事故における乗員保護装置(シートベルト,エアバッグ)の効果,特徴のある歩行者事故,車両構造に関する提案など報告する。
つくば事務所 所長 沼尻 到
四輪乗車中の子供の交通事故例の分析
2000年に施行された「チャイルドシート使用義務化」以降、6歳未満の子供の使用率は増加した。しかし、ここ数年は使用率60%前後で推移している。そこで、交通事故例調査から子供がチャイルドシートを使用していたにもかかわらず大きな怪我をした事例や、逆にチャイルドシートの使用により被害が軽減したと思われる事例を紹介し、子供の自体防護に関する実状や課題を述べる。また、事故防止や被害軽減対策の優先度を事故例毎に分別する試みとして、先に紹介した事例に類似する交通事故の年間発生件数や年間死傷者数を集計した結果を紹介する。
研究部 主任研究員 塩田 誠
熟年高齢運転者の車両単独事故-代表的事例と対策-
高齢化が進む中、高齢者が関与する交通事故も増加傾向にある。高齢者は被害者になるだけでなく、四輪車を運転中に事故を起こし第1当事者になる割合も増えている。特に、75歳以上の熟年高齢者では、「車両単独事故」が他年齢層に比べて多発する傾向がある。今回は、熟年高齢者が起こした車両単独事故を取り上げ、『件数の多い事故パターン』と『他年齢層に比べて発生しやすい事故パターン』に分けて、代表的な事故事例およびマクロ統計データを用いて特徴を分析し、事故発生の要因を考察した。今後の高齢運転者の車両単独事故を低減するための指針を「車」・「人」・「道路」・「制度(仕組み)」の視点から提言する。

研究部 主任研究員 竹本 崇
事故発生場所情報を使った事故分析
2012年より警察から提供されるマクロ統計データに発生位置座標が附与されるようになったため、「すべての道路、地域」と「すべての人身事故」を対象にして空間的な分析を行うことが可能になり、従来は実施できなかった詳細な事故分析を行う環境が整いつつある。しかし、従来の事故分析システムは事故発生地点の位置情報を扱えず、また毎年60万件を超える交通事故に附与された位置情報の品質管理・修正支援も困難である。現在、新たにGISを援用しデータの品質管理から分析までをカバーする統合的な事故分析システムを開発することを目的として東京大学と共同で研究開発を進めている。本報告では、事故原票に附与された経度・緯度の正確さを検証し、地理空間的な分析を行った結果を紹介する。
常務理事 山田 晴利
交通事故が多発する箇所の特徴と事故事例
《事故が多発する箇所には、どのような特徴があるのか!》
イタルダが一般に提供している「交通事故多発箇所データ※1」の平成20年から24年の5年分を用いて、事故多発箇所の分布状況や特徴を分析した。本発表では、特徴別に事故多発箇所の事例及び改善例を事故地点の緯度経度情報や航空写真等を活用し紹介する。
(※1:全国の幹線道路で発生した交通事故の位置情報を用いて、事故件数が多い順に上位10,000箇所を抽出したデータ)
研究部 研究第二課 北野 朋子
研究部 研究第二課 田中 祥夫