HOME > 研究成果報告 > 学会発表論文一覧 > 2021年学会発表論文

2021年学会発表論文

一覧へ戻る

2021年学会発表論文

高齢運転者の運転・交通事故と事故予防の展望
【講演】日本交通心理学会 日本心理学会第86回大会「高齢運転者教育を考える 理論と実践」シンポジウム(2021/6/12)

講演者:小菅英恵

本講演では,交通事故を未然に防ぐための高齢運転者教育の議論につなげることを狙いとして,高齢者講習「認知機能検査」受検後3年間の人身事故を追跡するコホート研究,および,70歳以上高齢者講習の実車指導において,講習指導員から “不安全” と評価された運転行動の構造解析を行なった研究を紹介する.
参加型グループワークを取り入れたオンラインでの交通安全教育の試み:個人交通事故リスク算出と行動改善に関する研究(1)
【学会発表】日本交通心理学会「日本交通心理学会第86回大会」(2021/6/12)

発表者:小菅英恵・島崎敢・亰百合子・清水真弓・加嶋尚正・内藤裕之介・宇多泰淳・砂永麻実・菱川豊裕・影澤英子

本実践報告では,個人の交通行動パタンに潜む事故リスクを可視化するため,個々人の移動履歴と地図上の交通事故統計データを重ね合わせる新しいアプリケーションソフトウェア(リスク可視化アプリ)を構築した研究において,参加者の行動改善を目的に,リスク可視化アプリを用いた参加型グループワーク(ワークショップ)の実践について報告を行なう.

掲載:日本交通心理学会第86回大会発表論文集,9-12.
講演「高齢ドライバー関与の事故実態」
自動車技術会フォーラム「高齢運転者に対する自動車安全」(オンライン, 7/7)

講演者:河口健二

 交通事故について、運転者の年齢層別の分析を行い、その特徴を洗い出した。具体的には、免許保有人口10万人当たりの指標、死亡重傷割合、1当・2当比率など様々な指標を用いた。65歳以上運転者が関与した死亡重傷事故において、歩行者が最多で1565人(2020年),次いで自車1,345人, 自転車が1,168人などとなっていることが明らかとなった。
 さらに、高齢者運転の車と歩行者事故について分析し、運転者が高齢になるほど速度が低くなり、75歳以上では、歩行者死亡重傷事故の6割以上が20km/h以下で発生しており、また、運転者が高齢になるほど歩行者の年齢も上昇傾向にあることも導き出した。
 運転者の人的エラーを見ると高齢になるほど操作エラーの比率が高くなり、歩行者死亡重傷事故において歳代の人的エラーはブレーキとアクセルの踏み間違いであることもわかった。
物損事故データを活用した道路交通事故発生傾向の分析:茨城県を対象として
【学会発表】日本交通科学学会「第57回日本交通科学学会総会・学術大会」(2021/10/1・2)

発表者:小菅英恵・影澤英子・菱川豊裕・堀口慶二・山本俊雄・上坂克巳・平根英一・中島太郎

人身事故発生が減少する中,持続可能な社会を目指すため,更なる地域の交通事故防止を図るには,地域の事故発生の全体像を俯瞰して捉えた上で,残された地域の課題を洗い出し,その課題に応じた対策を講ずることが重要となる.本研究では,茨城県の交通事故予防の方向性検討に向けた地域課題の洗い出しを目的に、茨城県警察本部が保有する物損事故データと,ITARDAの人身事故データを用いて,物損・人身事故の発生傾向の差違やその特徴を分析した.結果,物損事故は駐車場や私道などで発生が多く,国道などでの発生が多い人身事故とは発生場所の傾向が異なるなど,事故内容で異なる県の事故発生の特徴が把握できた.物損事故データを活用した物損事故と人身事故の発生傾向の比較分析は,地域の事故防止の推進に有用である.

掲載:日本交通科学学会誌 第57回日本交通科学学会学術講演会講演集,21(補冊),90.
イベントデータレコーダの記録データを用いた走行軌跡の推定に関する実験的検討
【学会発表】日本交通科学学会/第57回 日本交通科学学会・学術講演会(2021/10/1-2)

発表者 :松村英樹・伊藤達也

交通事故調査において、事故車両の走行軌跡を正確に把握することは、事故原因の究明に重要である。現在、多くのイベントデータレコーダ(EDR)は、ABSなど一部の電子制御装置の作動状況や車速などの車両挙動を記録しているが、走行軌跡は記録していない。本発表では、事故調査での利用を目的として、EDRに記録されている車速とヨーレートから推定した走行軌跡について検討した。検討では、EDRが装備された実験車両に高精度測位(GPS)が可能な計測機を搭載し、その車両をテストコース上において走行させ、EDRの推定結果とGPSの測位結果の比較を行った。比較の結果、車両挙動が緩やかなカーブ走行の場合、両結果が良好に一致した。車両挙動が急変するスラローム走行の場合、カーブ走行に比べて両結果の差が大きくなった。今回の実験結果から、車両挙動が緩やかな場合、EDRデータによる走行軌跡の推定が可能であることが示唆された。また、車両挙動が急変する場合、現状のEDRデータでは走行軌跡を十分に推定できない場合があることを示した。

松村英樹・伊藤達也(2021),"イベントデータレコーダの記録データを用いた走行軌跡の推定に関する実験的検討", G3-6
職場の運転者教育における運転適性検査データ活用の試み:高速道路保全管理業務を対象として
【学会発表】日本交通心理士会「日本交通心理士会第18回千葉大会」(2021/11/14)

発表者:小菅英恵・西田泰・菱川豊裕・菅野裕・内藤敏一・瀬川綾乃

「運転適性検査」は,交通事故発生につながる性格等の個人差を測定可能であり(西田,2004),自社の交通事故データと運転者の運転適性検査結果のデータを結合して分析することで,業務中の事故発生に関わる運転者特性を把握可能である.本研究では,運転適性検査データを活用して,高速道路保全管理業務に従事する運転者の交通事故発生につながる特性把握の分析を行なう.

掲載:日本交通心理士会第18回千葉大会発表論文集,33-34.
交通事故総合分析センターにおける自動運転車事故調査分析の取組
【講演発表】一般社団法人建設コンサルタンツ協会関東支部 令和3年度道路講習会「2021年これからの交通安全対策~時代のニーズに応える」(2021/12/10)

講演者:吉田真平

本講演では、道路関連技術者を対象に、「交通事故総合分析センターにおける自動運転車事故調査分析の取組」として、我が国の自動運転車の現状や事故発生状況、交通事故総合分析センターが行う自動運転車の事故調査分析と道路交通環境等に焦点をあてた要因分析、自動運転社会の実現に向けて必要な道路交通環境の形成等について講演を行った。