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2019年学会発表論文

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2019年学会発表論文

高齢運転者の安全なモビリティを目指して:“人の視点”からの高齢者の交通事故分析
【講演】日本交通科学学会 第55回日本交通科学学会総会・学術大会「高齢者の交通事故予防対策;人、道、車、救助・救急の視点から」パネルディスカッション(2019/6/21)

講演者:小菅英恵

高齢運転者事故は,認知機能の低下だけでなく,極めて複雑に様々な要因が関係していることが示唆される.ここでは,高齢者の交通事故予防に向けた多角的な議論につなげることを狙いとして,ITARDAの「違反事故履歴統合データベース」から抽出したデータ分析を紹介する.

掲載:日本交通科学学会誌 第55回日本交通科学学会学術講演会講演集,19(補冊),70.
道路交通違反の累犯性と交通事故の人的要因の関係に基づく運転者のヒューマンエラー分析:違反事故履歴統合DBを用いた業務中運転者の特性
【学会発表】日本交通心理学会「日本交通心理学会第84回大会」(2019/7/7)

発表者:小菅英恵・西田泰

本研究では,業務中運転者のヒューマンエラーの把握を目的に,運転者管理データと交通事故統計データを統合したITARDAのDBを用いて,検挙違反項目の累犯データと交通事故の人的要因項目のコレスポンデンス分析を試みた.結果,違反・事故パタンから業務中運転者のヒューマンエラーの特徴を分析できた.検挙違反と事故の両データによるヒューマンエラー特性の分析は,交通事故防止対策の検討に有益と考える.

掲載:日本交通心理学会第84回大会発表論文集,64-67.
発達障害におけるモビリティの課題:交通安全と支援を考える
【講演】日本心理学会 日本心理学会第83回大会「心理学から考える人口減少社会でのモビリティ:女性・高齢者・障がい」(2019/9/12)

講演者:小菅英恵

2016年の「障害者差別解消法」に伴い,発達障害を含め,障害に対する社会的な関心が高まっている.しかし,発達障害と交通安全の研究は途上にあり,さらに障害特性から,過大にリスクが取り上げられている現状もある.そこで,発達障害を有する方の運転や交通事故の現状,ならびに事故防止に資する最新の知見を紹介し,今後の交通事故防止や安全支援の方向性の論点を整理しながら,議論を行ないたい.

掲載:日本心理学会大会発表論文集,83,70.
ヒューマンエラー把握のためのテキストマイニング:職場の交通安全教育における報告書データの活用事例
【学会発表】日本交通心理士会「日本交通心理士会第16回川崎大会」(2019/11/3)

発表者:小菅英恵・西田泰・齋藤達也

本研究では,企業の既存データである「事故報告書」のテキストマイニングにより,従業員の事故に関わるヒューマンエラーについて職務の運転状況に紐づけて類型化を行なった.また,分析結果は職場の交通安全教育の教材として活用を試み,その実践も報告する.

掲載:日本交通心理士会第16回川崎大会発表論文集,52-53.
高齢ドライバーと交通事故:超高齢社会の安全なモビリティに向けた未然予防を考える
【講演】運転と作業療法研究会 第6 回運転と作業療法研究会 特別講演(2019/11/10)

講演者:小菅英恵

我が国では超高齢社会を迎え,高齢の免許保有者の増加に伴う自動車交通事故リスクの増大が懸念されている.高齢運転者の認知症や認知機能の障害は,安全運転を阻害し,認知機能は加齢と共に低下するため,我が国では軽度認知症の疑いのある高齢運転者集団へのハイリスク・ストラテジーの対策などが講じられている.本講演では,高齢運転者事故対策の現状を概観し,全国規模の高齢運転者集団を対象としたコホート研究など先行研究を紹介し,交通心理学の立場から人間活動としての「運転」とは何か,交通事故と人間行動の関係を整理しながら,先行研究の知見を踏まえて超高齢社会の未然予防について学問横断的に考える機会としたい.
高齢運転者の認知機能低下と運転・交通事故の関係:無過失事故当事者数を用いた準道路交通暴露量の指標による分析
【学会発表】土木学会「第60回土木計画学研究発表会・秋大会」(2019/12/2)

発表者:小菅英恵

本研究では,高齢運転者の認知機能の低下とその後の事故リスクを定量的に検討するため,ITARDAの違反事故履歴統合 DBを用いて,認知機能検査結果で分類(第1分類・第2分類・第3分類)された高齢運転者集団について無過失事故当事者数を準道路交通暴露量とした1当事故リスクの比を求めた.比の値は認知機能の低下と共に上昇し,最も認知機能の低下を示す第1分類の集団が実際に運転した場合のリスクが高いことが示された.ただし第1分類は,運転による交通暴露が小さい集団であった.本分析より,75歳以上運転者は,1当事故リスクは小さいが交通暴露当たりのリスクが高い第1分類, 1当事故リスクが大きい第2分類,1当事故者が多い第3分類という集団の特徴が示された.後期高齢運転者の事故対策では,集団それぞれのリスクを考慮した対策が必要と考える.

掲載:土木計画学研究・講演集 (CD-ROM),60,52-03.