
2025年学会発表論文
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2025年学会発表論文
近年の乗用車対自転車の出会い頭事故の特徴と自転車AEBの効果の分析
【講演】日本機械学会 バイオエンジニアリング部門「第25回傷害バイオメカニクス研究会」 (2025/2/18, 公開研究会)
講演者:河口 健二
講演者:河口 健二
近年の乗用車は対車両のAEB(被害軽減ブレーキ)の普及で追突事故が減少し、出会い頭事故が最多となり、その事故の中で自転車の傷害が最多である。この出会い頭事故について様々な視点から分析し、事故の要因等の特徴を洗い出した。1当自転車の法令違反は、信号有交差点では信号無視が88%と最多であり、信号無交差点では一時停止員バカ54%で最多となっている。1当自転車の死亡割合は1.01%で2当自転車の4倍以上、死亡重傷割合は15.6%で2当自転車の約2倍となっている。自転車が1当の時の方が乗用車の速度が高いことも要因の一つである。
対自転車のAEBは出会い頭で10%前後、右折時で20%強の死傷事故低減効果が見られた。ただ、ハイブリッドエンジンや電気自動車は自転車との出会い頭事故が通常のエンジンの車と比較し多めとなっている。これは、出会い頭事故の乗用車の速度が低いことと低速での走行時の音が小さいため自転車が気づきにくいことが要因ではないかと考えられる。さらなる調査・研究・対策の検討が望まれる。
※本内容は自動車技術会2024年秋季大会で発表したもので、日本機械学会よりその内容についての講演依頼を受け講演したものである。