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第21回 交通事故・調査分析研究発表会

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平成30年 第21回 交通事故・調査分析研究発表会

AEBによる追突事故低減効果の分析
 衝突被害軽減ブレーキ(AEB)や車線維持支援システム(LKA)などの先進安全車(ASV)技術を装備した車両が増えるに伴って、これらの機能による事故や傷害の低減効果を知る為の分析が求められてきた。しかし従来は車両ごとにこれらの機能の装備有無を確認するための情報が整備されておらず、分析自体が行える環境にはなかった。このような背景もあり、新たに損害保険会社による自動車保険のASV割引制度導入にあたってはASV技術の装備情報データベースが構築された。ITARDAではこのデータベースからAEBの装備情報を入手し、四輪車対四輪車の追突事故に焦点を当ててその事故低減効果に関する分析を行ったので、その結果を報告する。併せてシステムへの過信防止にも触れたい。。
研究部 主任研究員 木下 義彦
新たな事故データベースの構築 ~SIP事故パターン開発とD-Call Net事故例調査~
 平成28年の第10次交通安全基本計画では平成32年の交通事故死者2,500人を目標としている。試験運用期間を経て、平成26年から推進中の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)・自動走行システムや本年6月から本格運用が開始された救急自動通報(D-Call Net)は、いずれも交通事故による死傷者低減を目的とした新たな取り組みである。ITARDAでは当初よりこれらの取り組みに対応して、SIP事故パターンデータベースおよびD-Call Netの事故例データベースの構築に着手してきた。ここでは、これらの新たな事故データベースについて、その概要を紹介するとともに、それらを活用した分析例を紹介する。
研究部 主任研究員 木内  透
二輪車事故と救急搬送の現状2
 日本国内における二輪車事故の状況は、社会情勢の変化や消費者の趣向の変化などにより、ITARDA発足時の1990年代と比較すると大きく変化してきており、このことは、過去より実施されてきた二輪車事故対策を見直す必要があることを示していると考えられる。本発表では、二輪車事故状況の過去からの変化および直近の新たな問題点とその状況を示すことで前述の助けとする。また、救急搬送データと二輪車事故データを融合させることで得られた知見の一例および今後の展開の可能性を示すことで、交通事故データと他のデータの融合によって期待できる新たな展開についても触れたい。
研究部 主任研究員 浜田 信治
高齢運転者の認知機能と交通事故分析
 超高齢社会のわが国では、高齢者の認知症(病的)と運転が社会問題となっている。交通事故発生には人・道・車の要因が関係し,人的要因には認知機能・加齢・事故傾性など様々な因子が相互に複雑に関係しあう。効果的な事故防止は、事故発生に影響を及ぼす様々な因子の中から危険因子を特定し対策を打つことであり、そのためには科学的なデータ分析に基づく根拠の収集・蓄積と、その知見に基づく方針の検討(evidence-based policy making)が不可欠である。本報告では高齢者講習の「認知機能検査」と人身事故のデータを連携させた大規模DBを用いて、「認知機能低下」「事故反復傾向」「加齢」が高齢運転者の人身事故発生の危険因子となりうるかを解析し、その結果を報告する。
研究部 研究第一課研究員 小菅 英恵
歩行者事故リスク評価を活用した今後の交通安全対策 ~事故位置情報を活用した効率的な歩行者事故対策を目指して~
 平成24年から事故原票に事故位置の緯度経度情報が付加され、幹線道路だけでなく生活道路で発生する交通事故についても、その位置情報が正確に把握できるようになり、各地で交通安全教育や取締りなど交通安全対策への活用が広まってきている。本研究は、すでに先進国中最悪の水準にあり、加えて、高齢化の進展とウォーキング・ランニング需要の増加に伴いリスクの増加が懸念される歩行者事故を対象に、歩行者事故位置情報を活用した歩行者事故リスク評価モデルを構築するとともに、評価モデルのさらなる精度向上に向けた課題をとりまとめている。また、歩行者事故リスク評価モデルを活用した今後の歩行者事故対策についても提案する。
研究部長兼常務理事 大塚 俊介
市街地の拡大と交通事故発生地点の空間分析 ~香川県を例として~
 過去半世紀にわたるモータリゼーションは交通事故の増大と市街地拡大を同時にもたらしてきたが、両者の関係は十分理解されていない。既往研究ではスプロールと事故リスク増加の関係が統計的に示唆されているが、本研究では香川県を対象に,空間データを用い線引き廃止前後の人口、土地利用の事故リスクへの影響を分析した。その結果,人口密度は事故リスクの減少要因だが、市街化率はリスク増加要因であり、特に新市街地の影響度が高いことを明らかにした。更に、市街化時期と事故リスクに基づく地域別に事故件数を集計し、新市街地、リスク増加地域で事故件数の減少幅が小さいことを示した。以上の結果に基づき、事故リスクの観点から都市・交通政策への示唆を論じた。
研究部 客員研究員(香川大学創造工学部 教授) 紀伊 雅敦

当日配布資料

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