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第12回 交通事故・調査分析研究発表会

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平成21年 第12回 交通事故調査・分析研究発表会

歩行者の傷害程度に影響する要因の検討 ~四輪車と歩行者の事故において~
 交通事故の死者数は各種の安全対策のお陰で現象を続けているが、交通手段により減少の傾向は大きく異なっている。たとえば平成11年で死者数の約43%をしめていた四輪車乗車中が平成20年には約32%、一方歩行中死者についてみると同じく約29%から約33%となっている。すなわち歩行者の被害軽減対策が取り残されているという印象がある。
 今回の検討では四輪車と歩行者の事故において、歩行者が死亡するという重大な結果につながる要因の一端を把握し、今後の歩行中死者数のさらなる低減に寄与しようとするものである。
研究部 主任研究員 吉田 伸一
コンピューターを用いた事故再現による右直事故の分析
 自動車の安全技術はエアバッグやプリテンショナー付シートベルトに代表される「衝突安全」技術が先行して開発されて来ましたが、現在はこれに加えて交通事故そのものの減少を目的とした「予防安全」技術の開発も求められる段階に来ています。しかし残念ながら、システム設計に際して必要となる実際の事故発生状況に基づく事故シナリオの情報は不足しているのが現状です。
 そこで筆者はITARDA在職中に、予防安全技術の設計指針構築に寄与できる基礎データの整備充実を図ることを目的として、右直事故を対象にITARDA保有のミクロデータを用いたコンピューターによる事故再現シミュレーションを実施し、右直事故発生時の車両対車両の相関解析、および事故発生要因のパターン分類による解析を行いました。この研究成果は、本年3月に本発表と同名の報告書にまとめてITARDAから公表しておりますが、今回はこの報告書にまとめられた研究の概要と、その後に追加で実施した考察を交えてご説明します。
前・ 研究部 主任研究員 木下義彦
(現 株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員)
四輪車の電柱への衝突事故の分析
 平成20年自動車乗車中の交通事故死亡重傷者数は17,539人で、事故類型別に分類しますと工作物への衝突事故による死亡重傷者が出会い頭事故に次いで多い状況です。その工作物の中で、電柱への衝突事故は死亡重傷者数が多く、死亡重傷率も高いという特徴があります。
 そこで本研究では四輪車の電柱への衝突事故について、電柱との衝突位置別や車種別の分析を行いました。その結果、事故の発生要因については、電柱に前突した事故では運転者の前方不注意が多く、電柱に側突した事故では高い速度や滑りやすい路面状況下での運転操作の誤りによる事故が多いことがわかりました。さらに、電柱の細長い形状によって車両に局所的な変形が生じ、乗員に重大な傷害を与えていることが明らかになりました。以上の研究成果を発表いたします。
研究部 研究員 鈴木 陽介
人的要因からみた長寿ドライバーの交通事故の特徴
 長寿ドライバー(75歳以上)の交通事故防止に資する基礎資料を得ることをねらいとして、主として人的要因の観点から長寿ドライバーの交通死傷事故の特徴を分析した。着目した事故は、長寿ドライバーが起こしやすい信号無視およびブレーキ操作不適による事故である。分析の結果、長寿ドライバーの信号無視による事故は、昼間に流入部線形が直線である信号交差点を直進する場合に発生しやすいこと、信号無視の主な原因は、考え事等により他に気をとられていたためであること、同乗者ありの方が同乗者なしよりも信号無視事故比率が高くなることなどが明らかとなった。また、長寿ドライバーのブレーキ操作不適による事故は下り勾配で発生しやすく、病気のため足が思うように動かなかったことも原因となっていることがわかった。以上の分析結果を踏まえ、長寿ドライバーの事故防止対策を提案した。
研究部 担当部長 三井 達郎