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第10回 交通事故・調査分析研究発表会

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平成19年 第10回 交通事故調査・分析研究発表会

二輪車事故の特徴と原付の出会い頭事故の要因
 本研究は、交通事故全体に対する二輪車事故の位置付けや排気量別に異なった走行形態を持つ二輪車特有の事故の特徴をつかみ、死者数・死傷者数の最も多い原動機付自転車(以下原付と呼ぶ)の出会い頭事故に着目しマクロデータ(事故統計データ)、ミクロデータ(つくば地区事故調査データ)を用いて深く掘り下げて事故要因分析を行ったものである。
 交差点での出会い頭事故は、認知エラー、判断エラー(人的要因)が主な要因であり、交差車両に対する認知エラーが高い割合を占めている。
 認知エラーは、「交通量が少ない」「対象を事前に確認済み」などの理由により「交差車両はいないと思い込み」や家屋・塀・樹木や車両の陰による「視野阻害で見えなかった」が主な要因であった。また原付特有の道路左端走行による要因や外観形状が小さいことが要因となり相手から認知されにくい傾向が見られた。判断エラーは、「先に直進・右折しても問題ない」、「相手の速度がもっと遅い」、「減速停止すると思った」など運転者の勝手な思いこみが主な内容であった。
 今後、事故低減に向けては、乗員への意識改革の教育(混合交通下での二輪車の行動形態の認識、人的要因削減のための再教育など)や視野阻害要因の改善等が必要と考える。
軽乗用車の事故の特徴と乗用車同乗の子供の傷害に関する分析
 平成10年の軽自動車規格改定以降、特に軽乗用車の保有台数が増加してきた。全国の交通事故統計データ(マクロデータ)を用いて分析した結果、軽乗用車乗車中の死傷者数は保有台数増加にともなって増加しており、また、軽乗用車の事故の特徴を調べると、女性が買物や送迎途上に起こした事故が多く、普通乗用車に比べて子供を同乗している割合が高いことが分かった。乗用車同乗中の子供について事故の衝突形態や負傷部位に注目して分析したところ、乳幼児用及び学童用チャイルドシートの適切な使用と、後席への乗車が負傷の軽減に効果があることが裏付けられた。
飲酒運転の危険性について
 飲酒運転防止対策として、罰則強化やアルコロック等の機器の活用、あるいは飲酒運転常習者に対するリハビリ制度が有効であることは確かであるが、飲酒運転の危険性について運転者に納得できる説明を行い、運転者の安全意識の高揚を図ることも、前述の対策の効果を維持し続けるために必要である。
 しかし、飲酒運転の危険性を速度と関連付けて説明することには問題もある。例えば、「飲酒しても低い速度で走れば安全である」と考えている運転者が存在する限り、罰則強化や事故被害の重大さを示すことで、一時的に飲酒運転を減らすことは出来ても、飲酒運転を根本的に減らすことは困難と考えられる。
 そこで、運転者の自主的な運転行動変容促進を目的に、飲酒運転の危険性の解明を新たな視点からの交通事故統計データ分析によって試みた。その結果、酒気帯び運転者による事故では、脇見等の認知ミスが原因となることが多く、飲酒運転者の危険認知速度が高くなる理由には、脇見等の認知ミスによる事故率上昇の可能性もあり、必ずしも飲酒が高い速度での走行を助長した結果ではないと考えられる。