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第8回 交通事故・調査分析研究発表会

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平成17年 第8回 交通事故調査・分析研究発表会

1 交通事故死者数が7,358人に減少した要因の分析
 交通事故による死者数は平成4年の11,451人というピークから年々減少傾向にあり、平成16年には7,358人になった。人・車両・道路・救急医療等の観点から、交通事故死者数が大きく減少した要因を分析した。その結果さまざまな対策が各分野で実施されたことにより、交通事故死者数が減少したことが示された。特に人的側面から見た効果が、交通事故死者数減少の大きな要因であることが推測できた。
2 ミクロ事故調査事例による車両横転事故の実態調査
 つくば地区を中心に調査しているミクロ事故調査事例では、車両単独事故の22%、車両相互事故の7%で車両が横転している。車両クラスでは、1Box&ミニバン・RV(SUV)・軽自動車が横転しやすい傾向にある。車両が横転した場合、頭部・上肢への受傷リスクが高くなり、特にベルト非着用乗員では、車外放出や天井との衝突により頭部に重大な傷害を受ける事例が多い。
 一方、シートベルト着用乗員は、非着用乗員に比べて死亡率が1/6に減少し、車両が横転したことに起因する重大傷害は、今回の事例では見られなかった。車両が横転する事故での傷害低減には、後席を含めてシートベルトを着用することが非常に効果的である。
3 二輪車事故におけるヘルメット脱落の実態
 近年、ヘルメット着用者率が向上し、二輪車事故の死傷者低減に効果をあげている。一方で、ヘルメットを着用していながら事故時にそれが脱落してしまうケースが、特に死亡事故において多く見られる。脱落の発生状況を事故形態に関する特徴とヘルメットの種類・着用者に関する特徴の両面から調べた。脱落の発生率は自動二輪より原付において高いこと、脱落時の死亡率・負傷程度はヘルメット非着用の場合に匹敵する程に高いこと、脱落の主要因はヘルメットの種類と着用の仕方にあること、などが分かった。
4 事故例調査結果を用いた事故再現に関する検討
 事故例(ミクロ)調査の目的は、個々の事故を詳細に調査・解析して事故の内容を的確に把握し、今後の被害軽減対策などに資するための基礎データを得ることである。事故解析の精度をさらに向上させることを目的として、今回特定の事故の再現をおこなった。それに先立って、交通事故統計により正面衝突事故の現状を把握した。
 事故再現は、事故例調査によって得られた解析結果に基づいて設定し、事故時の乗員挙動、乗員が被った傷害に関与した衝撃量、車両変形と衝突速度の関係などを明らかにすることをねらいとした。
事故再現として正面衝突事故・追突事故・歩行者事故の3形態を実施したが、ここでは正面衝突事故について報告する。
5 飲酒運転に関する道路交通法の改正の効果
 平成14年6月に改正道路交通法等が施行され、飲酒運転の取り締まり基準となる呼気中アルコール濃度が0.25mg/?から0.15mg/?に引き下げられ、罰金や行政処分点数も引上げられた。
第一当事者に飲酒が認められる事故件数を、平成13年と平成16年で比較したところ、飲酒運転事故は約39%減少していた。また、当事者属性、道路環境、発生日時、事故状況等の項目別の飲酒運転事故件数を比較すると、平成16年に増加した項目はなく、国民各層に広く改正の効果が見られた。
 減少率が小さい当事者として、無免許や飲酒程度が高い悪質運転者、飲酒運転厳罰化の認識が薄いと思われる高齢者や軽車両運転者、または、昼間運転者が挙げられ、運転者の特性を考慮した交通安全教育が必要であることが示された。また、高速道路や夜間の高速走行時の飲酒運転事故の減少率が大きく、平成13年12月に危険運転致死傷罪を盛り込んだ改正刑法が施行された効果が現れていると考えられる。