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第4回 交通事故・調査分析研究発表会

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平成13年 第4回 交通事故調査・分析研究発表会

1 交通事故における人的エラーの分析
 増え続ける交通事故発生件数を低減するには、従来の被害軽減対策に加え、予防安全の観点からの分析、対策も重要になる。今回は、‘97年の300件の事故例調査事例を用いて認知、判断・予測、操作の各段階での人的エラーの特徴を分析した。その結果
  1. エラーは認知段階、判断・予測段階の順に多く、操作段階では少ない。
  2. 対象を見落す理由としては、“ぼんやり”といった集中度の低下による“見落とし”や、“(誰も来るはずがないといった)思い込み”による確認不十分、また、家屋、樹木、他車の陰等による“見落し不良”が多い。
  3. 見通しの悪い交差点で認知エラーをしたとしても、交差点そのものを見落すことは少なく、その時点で“交差する道路上に誰かいるかもしれない”などと、より防衛的な予測をすることにより、認知エラーを挽回できる場合が少なくない。
  4. 事故を通じ、当事者一人当たり2~3件のエラーを犯している、言い換えると事故を避けるチャンスは2回以上ある。
  5. 今回の8種類の予防安全装置によると、300件の事故調査事例の約60%で被害軽減の可能性がある。
などの特徴を確認できた。
2 低速域で発生する年少歩行者事故の分析
 最近、SUVやミニバンなど、車高が高く、大人数でもゆったりした空間がとれる乗用車が普及しているが、それに伴い、このような背の高い乗用車によって年少歩行者が犠牲となる人身事故も社会的に問題となってきている。そこで、低速域で発生する歩行者事故についての分析を行い、
  • 1~2歳児の死亡事故では、親などの縁故者が加害者になっているケースが多い。
  • 縁故者が加害者となった事故では「発進」時の事故発生が多い
  • 「車両の物理的な死角」による事故よりも「運転者が注意を怠ったため」起きたと考えられる事故の方が多く、例えば、運転者が発進時に車両前方を前かがみになって注視して安全確認するだけでも、事故防止に役立つ。
といったことを明らかにした。
3 四輪車の前面衝突における高齢運転者の傷害状況
 65歳以上の高齢運転者に注目し、自動車事故で最も多く発生している前面衝突を対象に、高齢運転者の傷害状況を調べた。交通統計(マクロ)データから、高齢者は16~64歳の一般成人に比較して、胸部に傷害を受けることが特徴的であった。また事故事例調査(ミクロ)データから、高齢者はシートベルト着用エアバック展開事故で胸部に重傷相当の傷害が発生しており、今後の高齢者被害軽減対策に対する基礎資料を得た。
4 高速道路における逆走事故に関する分析
 高規格の設計基準で設計された高速道路においては、道路構造及び標識等の誘導により、車両が定められた進行方向とは逆向きに走行すること(逆走行為)は、本来、発生しづらいものである。しかし、高速道路における逆走事故は、人身事故のおよそ300件に1件の割合で発生しており、一旦、逆走行為がなされれば、重大事故につながる可能性が高く、第三者へ危害を及ぼす非常に危険な行為と言える。 本稿では、逆走事故を、単に、特異的事故として取扱うのではなく、その特徴や要因を明らかにし、対策の方向性の提案を行う。
5 気象情報を活用した交通事故統計分析
 アメダス気象情報と交通事故データとを統合したデータ分析システムを構築し、降水量と死亡事故・死傷事故件数及び発生要因との関係について分析した。その結果、降水時に事故発生の危険性が高くなっている要因を分析し、状態別、事故類型別、法令違反別特徴を明らかにするとともに、月別、時間帯別、地域別の分析により、降水時・非降水時という新しい切り口での事故防止対策に資する知見を得た。
6交通事故データからみた自動車の点検整備に関する調査分析
 モータリゼーションの進展するなかで、自動車保有台数は平成13年3月末に75,524,973台に達しており、交通事故の多発、交通渋滞の激化等社会的に大きな課題となっている。
 特に、整備不良による事故の場合は、思わぬ重大事故を惹起することとなる。
また、事故には至らなくても車両故障ともなると、後続車以降が大渋滞を引き起こすこととなり、更には事故を誘発する要因となる。
 したがって、整備不良車による事故を排除するには、その実態を把握する必要がある。