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設立趣意書

平成4年3月15日
  1. 我が国における車両台数及び運転免許保有者数は増加の一途をたどり、今や大量交通時代、国民皆免許時代を迎えています。
    一方、これに伴いかつて死者8,000人台にまで減少した交通事故は再び増勢に転じ、数年にわたり交通事故死者が1万人を突破するなど現下の交通情勢は極めて深刻なものがあり、「第2次交通戦争」という言葉も聞かれるところであります。
  2. こうした状況にもかかわらず、交通事故減少の決め手ともいうべきものが見つからない現状において、真に効果的な交通安全対策を推進していくためには、各機関、団体によって行われている既存の対策を現状のまま継続していくだけでは限界があり、交通事故を的確かつ徹底的に解明した上でこれを基礎としてより効果的な施策を推進していくことが不可欠であります。
  3. いうまでもなく交通事故は、「人」、「道路」及び「車」の三要素を中心として、様々な要因が複雑に作用して発生するものであり、これを科学的に解明するためには、総合的な観点が不可欠であります。
    しかしながら、我が国の現状を顧みますと、交通事故事例の総合的な調査分析と言い得るものは行われてはおらず、また、交通事故関係統計も各機関において各々保有されており、その有機的な統合が行われていない現状にあります。
  4. そこで、公益財団法人交通事故分析センターを新たに設立し、交通事故統計を中心に各種交通関係統計を有機的に統合するとともに、交通事故事例の総合的な調査分析を体系的に実践し、これらマクロ及びミクロの両面から交通事故に関する様々な要因を総合的に分析し、その結果を幅広く提供することにより、官民各々の立場から行う交通安全対策の立案及びより一層の効果的な推進に資し、もって安全、円滑かつ秩序ある交通社会の実現に寄与しようとするものであります。