no37  
駐車車両衝突事故、死亡率が5倍!!
   原動機付自転車の衝突が多発



目  次

 はじめに

 1 駐車車両衝突事故の特徴
 1.1 駐車車両衝突事故は年々増加傾向
 1.2 駐車車両衝突事故は死亡事故が極めて高い
 1.3 原動機付自転車と普通乗用車が多発
 1.4 若年層の衝突が最も多い
 1.5 駐車車両衝突死亡の8割が夜間に発生
 1.6 駐車車両衝突事故の約7割が単路で発生
 1.7 9m以上の道路での事故は死亡事故が高い
 1.8 都道府県では神奈川県が特に多い

 2 事故の多い年齢層の特徴
 2.1 普通乗用車と原動機付自転車の事故が約7割
 2.2 普通乗用車・原動機付自転車ともに夜間に集中
 2.3 原付の「16歳〜17歳」の事故が特に多い
 2.4 原付の死亡事故ではヘルメットの脱落が多い

  3 事故事例紹介
 事例1 大型貨物車が軽乗用車に衝突
 事例2 軽貨物車が駐車中のトレーラーに衝突
 事例3 二輪車が駐車中の普通貨物車に衝突

まとめ


はじめに


 違法な路上駐車は、深刻な交通渋滞を引き起こしたり、交通事故の原因となるなど交通の安全と円滑を阻害し、また、交通公害の発生源になるとも言われるなど大きな社会問題となっています。
 特に、路上に駐車している車両に衝突する事故が増加していることから、駐車車両に起因する交通事故防止のために、運転者不在の駐車車両に衝突した事故の特徴を分析しましたので、その結果を紹介します。
 高速道路において、車両が定められた進行方向と逆方向に走行する逆走行為は、理解しがたいものです。


1 駐車車両衝突事故の特徴

1.1 駐車車両衝突事故は年々増加傾向

 駐車車両に衝突する人身事故の発生件数は、平成10年が2,574件、平成11年が2,705件、平成12年が2,878件(平成10年比約11%増)となっており、年々増加の傾向となっています(図1)。


1.2 駐車車両衝突事故は死亡事故率が極めて高い

平成12年中に発生した駐車車両に衝突した事故をみると、死亡事故が139件発生しており、死亡事故率は約5%となっています。これは、人身事故全体の死亡事故率(0.93%)の約5倍になっています(図2)。

1.3 原動機付自転車と普通乗用車が多発

 駐車車両に衝突した事故を当事者別でみると、2,878件のうち普通乗用車が1,087件、原動機付自転車が744件となっており、両者で全体の約64%を占めています。普通乗用車の件数が最も多くなっていますが、事故全体(第1当事者)に占める割合を原付と比較すると、それぞれ0.21%、1.63%となっており、原付の方が駐車車両へ衝突する事故の割合が大きいことが分かります(図3)。

        

1.4 若年層の衝突が最も多い

 図4の折れ線グラフは駐車車両に衝突した事故を年齢層別にみた事故件数であり、20歳から24歳が508件、16歳から19歳が405件、25歳から29歳が376件、30歳から34歳が262件となっており、16歳から24歳の若年層で約1/3を占めています。

 図4の棒グラフにある死亡事故では、25歳から29歳が21件、重傷事故では、16歳から19歳が105件、全人身事故では、20歳から24歳が508件と最も多くなっています。


1.5 駐車車両衝突死亡の8割が夜間に発生

 図5は昼夜別の駐車車両衝突事故件数を示しており、夜間の事故が1,821件、昼間の事故が1,057件となっており、夜間の事故が全体の約63%を占めています。


 特に昼夜別駐車車両衝突死亡事故(図6)では、139件中夜間の事故が113件で死亡事故全体の約81%を占め、図7の昼夜別全死亡事故(夜間)と比較して極めて多くなっています。

               

 また、昼夜別駐車車両衝突重傷事故(図8)では、577件中夜間の事故が383件で重傷事故全体の約66%を占め、図9の昼夜別全重傷事故(夜間)の約2倍近くになっています。

        

1.6 駐車車両衝突事故の約7割が単路で発生

 道路形状別の事故件数では、単路が2,051件、カーブが243件、交差点付近が193件の順となっており、一般単路での発生が全体の約71%と最も多くなっています。 しかしながら、死亡事故率を比べてみると、逆に交差点付近(10.9%)が最も大きく、カーブ(6.6%)、一般単路(4.6%)の順になっています(図10)。

1.7 9m以上の道路での事故は死亡事故率が高い

 道路幅員別に事故構成率をみると、5.5m以上9m未満の割合が全件数、死亡件数ともに最も多く、その比率は全件数が約51%、死亡件数が約46%となっており、全件数の比率よりも死亡事故件数の比率の方が低くなっています。

 しかし、道路幅員が9.0m以上の道路では、全件数の比率より死亡事故件数の比率が特に多くなっています(図11)。

      

1.8 都道府県別では神奈川県が特に多い

 都道府県別に事故の多い県をみると、図12にあるように、神奈川県446件、愛知県が191件、茨城県の166件の順となっており、神奈川県の事故件数が全体の約15%を占めています。

2事故の多い年齢層の特徴

 駐車車両衝突事故は、16歳から34歳までの事故件数が1,551件で全体の約51%ととなっているのが大きな特徴です。そこで、この年齢層を更に分析しました。

2.1 普通乗用車と原動機付自転車の事故が約7割

 16歳から34歳までの当事者別駐車車両衝突事故件数(全1,551件)をグラフにしたものが図13です。死亡、重傷、軽傷を足し合わせた普通乗用車の事故件数が569件、原動機付自転車の事故件数が503件となっており、このふたつの当事者で全体の約69%を占めています。

2.2 普通乗用車・原動機付自転車ともに夜間に集中

 図14にある16歳から34歳の時間帯別普通乗用車、原動機付自転車の事故件数をみると、普通乗用車では0時から2時の事故が最も多くなっており、原動機付自転車では20時から22時の時間帯の事故が最も多くなっています。

2.3 原付の16歳〜17歳の事故が特に多い

 図15の左側の棒グラフをみると、普通乗用車の事故では、20歳から27歳までの年齢層の事故が多く、「22歳〜23歳」の事故が最も多く発生しているのが分かります。  図15の右側の棒グラフが示す原動機付自転車では、16歳から21歳までの年齢層の事故が多く、「16歳〜17歳」の事故が最も多く発生しています。

2.4 原付の死亡事故ではヘルメットの脱落が多い

 ヘルメットの着用状況をみると、503件中、473件は着用していました。しかし、死亡事故件数17件をみると、ヘルメットを着用していたが脱落した件数は10件、死亡事故率が約59%と極めて高くなっています(図16)。

3事故事例紹介

事例1 大型貨物車が軽乗用車に衝突

 A車は片側2車線の直線路、第2車線を約60q/hで走行中、前走車が遅いので、左車線に進路変更して追い越そうとした。左後方の確認をしつつ、左にハンドルを切ったが、前方左車線でハザードランプを点滅させて停止しているB車に気が付いたため、回避行動をとったが、間に合わずに追突。頸椎捻挫の軽傷。

事例2 軽貨物車が駐車中のトレーラーに衝突

 A車はゆるやかな下り勾配を進行中、早朝のため通行量が少ないことに気を許し、漫然と運転していたことから、道路左側に大型連結車のトラクタ(牽引車)をはずして駐車していたトレーラー(被牽引車)の発見が遅れた。ブレーキをかけたが、間に合わずトレーラー後部に追突。顎骨折等の重傷。


事例3 二輪車が駐車中の普通貨物車に衝突

 A車は時速約45q/hで進行中、対向車線を進行してきた車両に気を取られたため、夜間にもかかわらず駐車灯を点灯せずに左前方に駐車していた普通貨物車の発見が遅れ、追突。頭部損傷により死亡。



まとめ



 駐車車両に衝突した事故は死亡事故率が非常に高く、事故全体の死亡事故率の約5倍となっています。特徴としては、16歳から34歳の年齢層の事故が特に多く、当事者別では、普通乗用車と原動機付自転車の発生が目立っており、発生は夜間に集中し、19時から23時の時間帯が最も多く発生しております。また、単路で特に多く発生し、道路幅員別では、5.5m以上9m未満の道路での事故が全体の約51%を占めています。
 駐車車両に衝突する事故は、衝突した側の原因や責任もありますが、本来道路上に違法に駐車したことの責任も重大です。裁判でも違法駐車車両の責任を認めているようです。
 これまで説明したように駐車車両に衝突する事故は危険度がとても高いことから、安易な路上駐車はやめて常に駐車場の活用を心がけたいものです。

 交通の安全と円滑のため、違法駐車防止や事故防止資料として活用いただければ幸いです。


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