来年(平成12年4月1日)から、幼児(6歳未満の子供のことを言います)を自動車に乗車させるときは、チャイルドシートを使用する義務が運転者に課せられることになりました。今回のイタルダインフォメーションでは、自動車乗車中の幼児の交通事故の実態とチャイルドシートの使用効果を分析した結果を紹介します。
| 急増する自動車乗車中の幼児の死傷者
自動車乗車中に交通事故にあい、死亡したり負傷したり |
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週末の事故が多く、買物や訪問のために外出中の事故が多い
自動車乗車中の幼児の事故は、土曜日と日曜日に多く発生しています。また、通行目的では、買物、訪問などが目立っています。
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チャイルドシート非使用で負傷したり死亡した幼児が、体のどこの部位に傷害を負ったかを調べると、頭部や顔部に傷害を負った例が多いことがわかります。特に死亡した例では、頭部に傷害を負った幼児の割合が多くなります。幼児は頭部が致命傷となる例が、大人に比べて多いことがわかります。
全員がチャイルドシートを使用していれば、5年間の死亡重傷者が約360人減少した計算に
1.7 チャイルドシートの使用効果の試算
図
事例1
★事故の概要 ★子供の様子
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| ◎Aさんの話 事故のときは、友人を最寄り駅まで送っていくときでした。 突然、乗用車が目の前に出てきたのでびっくりしました。事 故のときに子供は眠っていて、衝突のときには泣きましたが、 怪我が軽くて本当によかったと思います。 | ![]() |
事例2
★事故の概要 ★子供の様子
午前10頃、Bさんの運転する軽自動車は、信号機の 軽自動車の助手席にチャイルドシートを使用して乗車
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| ◎Bさんの話 必死の思いで横転した車からはい出し、おそるおそる子 供が乗っていた助手席をのぞき込みました。子供は泣きじ ゃくっていましたが、怪我もしていませんでした。チャイ ルドシートをしていなければ、大変なことになっていた と思います。 |
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事例3
★事故の概要 ★子供の様子
平日の午前中、Cさんの運転する普通乗用車は、信号機 後部座席の左側に、チャイルドシートを使用して乗車![]() |
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| ◎Cさんの話 事故のときは、相手の車と電柱にぶつかったので、2回 大きな衝撃を感じました。近くに買物に行く途中でしたが、 普段からチャイルドシートを使用していてよかったと思い ます。 |
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事例4
★事故の概要
Dさんの運転する普通乗用車は、信号機のない交差点において、普通貨物車と出合頭に衝突した。
★子供の様子
普通乗用車の助手席には、2歳の幼児と4歳の幼児がチャイルドシート非使用で乗車していたが、2歳の幼児が頭部打撲により死亡した。4歳の幼児とDさんは無傷であった。
事例5
★事故の概要
Eさんの運転する普通乗用車は、国道を進行中、対向車線にはみ出したところ対向してきた大型貨物車と正面衝突した。
★子供の様子
普通乗用車には、3人の幼児がいずれもチャイルドシート非使用で乗車していた。後部座席に乗車していた2歳の幼児と9ヶ月の幼児が死亡した。助手席にいた3歳の幼児は重傷を負った。
Eさんも死亡した。

★事故の概要
Fさんの運転する普通乗用車は、道幅約3mの道路を進行中、
Fさんが脇見をしたことが原因でハンドル操作を誤りブロック
塀に衝突した。
★子供の様子
普通乗用車の助手席には、5歳の幼児が大人用シートベルト
を着用して乗車していたが、内臓損傷により死亡した。
○分析のまとめ
幼児を自動車に乗車させる場合、チャイルドシートを使用しないと大変危険であるのは、交通事故統計分析と交通事故例分析の両方から明らかです。車が衝突するときの衝撃は、一般の人の想像を超えるほど激しいものです。大人が抱っこするくらいでは、幼児の体を到底支えられるものではありません。また、後部座席に着座させるから、速度をあまり出さないからと言って、チャイルドシートを使用させないことが安全なわけではありません。衝突のときに幼児の体が車外に投げ出されることを防いだり、ドアやガラス等の車内の部位に激しく衝突することを防ぐために、幼児の体を拘束しておくことが、万一事故が発生した場合の被害を少なくするために必要なことです。そのための装置としてチャイルドシートの使用が不可欠であることを理解したいものです。
付録 チャイルドシートQ&A
Q1 チャイルドシートを選ぶときの目安を教えて下さい。
A1 子供の体にあったチャイルドシートを選びましょう。
チャイルドシートには、必ずその製品が何歳から何歳くらいまでの子供のために作られた製品であるか、体重が何
kgくらいの子供を対象に作られた製品であるかが明記されています。子供の体にあったチャイルドシートを選ぶことが最も重要です。また、チャイルドシートについては、運輸省が安全基準に適合した製品かどうかの試験を行っており、合格した製品は、認証マークが製品に貼ってあります。製品の安全性については、この認証マークが貼ってあることが目安になります。Q2 チャイルドシートはどこの席に使用するのが一番安全でしょうか。
A2 車種にもよりますが、後席の中央が最も安全であると言われています。
激しい衝突の場合に、ピラーやシートバック等に子供が衝突しにくい場所に使用するのが安全です。また、助手席にエアバックが使用されている場合は、助手席にチャイルドシートを使用するのは大変危険です。一般的に、前席より後部座席のほうが安全です。後部座席の中では、中央が最も安全であると言われています。但し、車種によっては、後部座席の中央が盛り上がっていたり、シートベルトが届かなかったりしてチャイルドシートがしっかり固定できない車種も少なくありません。チャイルドシートがしっかり固定できない場合は、かえって危険です。
Q3 チャイルドシートを正しく取り付けるにはどのような工夫が必要でしょうか。
A3 シートベルトでチャイルドシートをしっかり固定することが必要です。
大部分のチャイルドシートでは、シートベルトにより車両に固定します。グラグラしたりゆるみがないようにしっかり固定することが大切です。最近、新車で販売される国産車の後部座席のシートベルトには、チャイルドシート固定機能が付いたシートベルトを装備する車が多くなっていますが、この機能がついていない車両に使用する場合、ロッキングクリップ等を使ってシートベルトがゆるまないようにする必要があります。チャイルドシートの使用の方法は、製品によって異なります。また、取り付けようとする車種によっても異なる場合があるため、チャイルドシートの取り扱い説明書を参考にして正しく取り付けましょう。取り付け方がよくわからない場合は、製造メーカーか販売店に相談しましょう。
☆参考
チャイルドシートの取り付け方法を調べた結果によると、大部分の人がチャイルドシートを車に正しく取り付けていないようです。(社)日本自動車連盟の調査によると、調査したチャイルドシートの84.4%(調査台数32台)に緩みがあったとのことです。アメリカの調査においても、調査したチャイルドシートの85%になんらかの取り付け不良や誤使用があったとのことです(The National Safe Kids Campaignによる調査。調査台数17,500台)。事故のときに幼児を守るためには、チャイルドシートを正しい方法でしっかり取り付けることが必要です。
A4 ほとんどの先進国でチャイルドシートの使用が義務づけられています。
チャイルドシート使用は、ほとんどの先進国で義務づけられています。表2は、主な国の法律を一覧にしたものです。幼児の命を守る方法として、チャイルドシートの使用は世界の常識と言えましょう。
表2 海外におけるチャイルドシートの使用義務
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国名 |
使用が義務づけられる子供 |
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イギリス |
2歳以下はチャイルドシート使用・3歳以上11歳以下かつ身長150センチ未満はチャイルドシートがあれば使用、なければシートベルトを使用 |
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ドイツ |
11歳以下かつ身長150センチ未満 |
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フランス |
9歳以下 |
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スウェーデン |
6歳以下 |
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アメリカ合衆国 |
州によって異なる(4歳未満又は体重40ポンド未満(カリフォルニア州)、13歳未満(テネシー州)、身長40インチ以下(ケンタッキー州)等) |
先日発表されたチャイルドシートの使用率の調査結果((社)日本自動車連盟による調査)によると、チャイルドシートの使用率は
●本パンフレットは、(社)日本自動車部品工業会(チャイルドシート委員会)の協賛により作成されました。